2024-25 大同生命SV.LEAGUE WOMEN 4/5 埼玉上尾 vs Astemo における得点の誤りについて(詳報)
2025年4月5日に発生しました、2024-25 大同生命SV.LEAGUE WOMEN 第22節 GAME1埼玉上尾メディックス vs Astemoリヴァーレ茨城における得点の誤りについて、関係スタッフへの聞き取りに基づく発生の経緯と再発防止策をご報告します。
改めまして、ファンの皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。引き続き、再発防止に向けて対策に全力を尽くしてまいります。
■発生事象
当該試合の第2セット途中、公式記録システムとして採用しているe-scoreにおいて、「埼玉上尾 14-14 Astemo」の場面で、埼玉上尾が15点目を得点した際、何らかの理由により誤って16点目がさらに加算され、「埼玉上尾 16-14 Astemo」となり公式記録と埼玉上尾の実際の得点に差異が発生した。SVリーグでは公式得点の誤りを防止することを目的に、e-score記録者とは別に*バックアップスコアラー、*予備の得点記録員の三者がそれぞれ独立して得点の記録を行っていたが、誤った得点が記録された際に十分な検証を行うことなく、得点が誤った状態で試合を進行した。その後、この誤りに気付くことなく試合は続行され実際には埼玉上尾が27点を獲得していないにも関わらず、記録上は27-29でAstemoが第2セットを獲得した。- その後、セットカウント3-2によりAstemoが勝利し試合が終了した。試合中*ジャッジカンファレンスは行われなかった。
*バックアップスコアラー:e-scoreにトラブルが発生した際のバックアップとして、記録用紙を用いて公式記録を記入する者。
*予備の得点記録員:得点の誤りを受け、e-score記録者,バックアップスコアラーとは別に試合の得点のみを記録する者。
*ジャッジカンファレンス:試合中に発生した問題を迅速に解決し、もとの状態に試合を回復することを目的とする。
■経緯・原因
<経緯>
・得点の誤りが発生した第2セット途中に、一部のレフェリーから得点記録の確認が行われたが、十分な検証を行うことなく試合を続行した。
・第2セット終了後に、コートチェンジを行う際に両チームのベンチスタッフより得点の確認依頼があったため、当該のJURY、レフェリー、スコアラーが確認を行ったが、スコアラーがe-score で入力した得点記録、バックアップスコアラーが記入した記録用紙の得点、予備の得点記録が全て一致していたことから「得点に誤りはない」と判断し試合を続行した。その際に試合映像の確認などは行われなかった。
・試合終了後、改めて、当該クラブのスタッフより得点の確認依頼があったため、再度、映像を見直し確認を行った結果、第2セットの得点に誤りがあることが発覚した。
<原因>
・e-scoreシステムの解析ならびに当該試合のレフェリー、スコアラーへの聞き取りを行った結果、当該セットにおいて不可解な形で得点が加算された原因が、入力ミスによるものかシステムのエラーによるものかの断定を行うことができなかった。
・しかし、得点の誤りが発生した後に、以下の点においてリカバーできる可能性があったにも関わらず、適切な対処が行われなかった。
①e-scoreの中で不可解な加点に対するアラート機能が作動していたにも関わらず、当該スコアラーはe-scoreの動作不良と認識し、アラートが表示されていながらもe-scoreにて公式記録の入力を続けた。
②e-scoreトラブル時のバックアップとして、記録用紙に手書きで記入を行う『バックアップスコアラー』を設置し、当該試合も得点記録等を記入していた。本来であれば、e-scoreからは独立して記録を行い、e-scoreにミスが発生した際の確認の役割を担うべきところを、e-scoreと連動している会場内の大型ビジョンに表示される得点表示を確認し、一部、記録用紙の記入を行ってしまった。その結果、得点に誤りが生じた際に自身の記録が誤っていると誤認し、スコアラーやレフェリーとコミュニケーションを十分に取ることなく、バックアップの記録に誤った得点を記入してしまった。
③予備の得点記録員も当該ラリーの次のラリー終了時に、自身の記録とe-scoreの得点に違いがあることを認識したが、自身が得点を誤っていると思い込み、周りには報告することなく誤った得点を記録してしまった。
以上から、e-scoreに誤った得点が記録されているにも関わらず、「e-score」、「バックアップスコア」、「予備の得点記録」に記録された得点が一致し、得点の誤りに対する確認機会があったにも関わらず、十分な確認・検証を行うことなく試合を進めてしまったと考えられる。
■再発防止策
①「e-score」、「バックアップスコア」、「予備の得点記録」の独立の徹底
「e-score」と「バックアップスコア」、「予備の得点記録」は各々が独立して得点の記録を行い、三者の中で齟齬が生じた際には必ず、試合を止めて得点の確認を行うことで「e-score」に得点の誤りが発生しても誤ったまま試合が進まないように運用しています。今回はそれが十分に機能したとは考えられず、三者の独立した記録の徹底を再度、実施します。
②得点に疑義が生じた際の確認・検証の徹底
得点に疑義が生じた際には必ず試合を止めて、試合映像を見直して確認・検証を行った上で試合を再開することを徹底します。
③クラブに対する要請
出場クラブに対しても得点に疑義が生じた際には試合中にレフェリーに申し出て、得点記録の確認を求めることを要請します。
④システムの再検証と研修の実施
今回、誤った形で得点が加点された根本的な原因が判明していません。システムの再検証を行うとともに、実際にe-scoreを運用する関係者に対する研修も同時に行っていきます。
以上