【SV男子CS ファイナル見どころ】サントリーvsSTINGS愛知… 初代王者の座はどちらの手に
2024-25 大同生命SVリーグ男子もいよいよファイナルを迎える。装い新たにスタートした国内トップリーグは、44試合のレギュラーシーズンを経て、チャンピオンシップは2戦先勝方式のクォーターファイナルにセミファイナル、と実に7ヵ月近く実施された。そうしてファイナルの舞台で、サントリーサンバーズ大阪とジェイテクトSTINGS愛知が初代SVリーグ王者の座を懸けてシーズン最後のバトルに興じる。
そのリーグが掲げたのは「世界最高峰のバレーボールリーグを目指す」。その旗揚げとなったこの2024-25シーズンは、まさに世界最高峰の顔ぶれが並んだ。今や世界のバレーボールシーンを彩る男子日本代表の面々も当然そこに含まれる。
<サントリーサンバーズ大阪>
そのうちの一人、髙橋藍が大学を卒業して選んだステージがSVリーグであり、サントリーだった。髙橋はシーズンも大詰めを迎えた今、こう口にする。「自分の想像を超えたレベルでした」と。
レギュラーシーズンの優勝争いは最終節まで繰り広げられ、チャンピオンシップに突入してからどのカードも激闘の連続。それが日本を代表するエースに“想像以上のレベル”と言わしめた。そしてサントリーも、その渦中にいた。
昨年末の令和6年度全日本バレーボール選手権大会を制すると、年明けには小野寺太志の負傷離脱に見舞われながらも、上位をキープ。優勝こそ大阪ブルテオンに奪われたものの、レギュラーシーズンは最終的に16連勝で締めくくっている。
レギュラーシーズン2位のシードとしてチャンピオンシップには同3位のウルフドッグス名古屋とのセミファイナルから臨むことになり、そこではGAME1を落としたものの、GAME2はストレート勝ち。勝負のGAME3では第1セットを先取されたが、逆転で2勝目をあげてファイナル進出の切符をつかみとった。
髙橋と対角に入るデアルマス・アライン、オポジットのドミトリー・ムセルスキーという攻撃面における“三本の矢”は強力で、それを昨季も含めた直近3度のリーグ優勝の立役者であるセッター大宅真樹が操るサントリー。それに匹敵する顔ぶれがまた、ファイナルで対峙するSTINGS愛知にもそろっている。
<ジェイテクトSTINGS愛知>
今季に臨むにあたって「超」がつくほどの大型補強を敢行したSTINGS愛知は、アメリカ代表のトリー・デファルコとブラジル代表で2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのリカルド・ルカレッリ・ソウザが加入し、エース対角を組む。そこに3季ぶりに復帰を果たしたオポジットの宮浦健人が加わり、強力な攻撃陣を形成。その面々を操るのが、こちらは日本代表でも絶対的司令塔として君臨するセッターの関田誠大である。
セミファイナルではレギュラーシーズン優勝の大阪Bに一つも勝ちを譲らず。怪我人が続出したこと、またそれも影響してチームケミストリーの熟成に時間を要したことでレギュラーシーズンは4位で通過することになったが、ファイナル進出を決めた試合後の「強いチームは苦しい状況を乗り越えて、より強くなる。今日も自分たちの力を証明できました」というミハウ・ゴゴール監督の言葉には自信がみなぎっていた。
この両者が激突するファイナルの注目は、攻撃陣だけではない。守備に目を向ければ、ミドルブロッカーでいえばサントリー大阪の小野寺太志とSTINGS愛知の髙橋健太郎は日本代表でも主力を担ってきたものどうし。またリベロもSTINGS愛知の小川智大は言わずとも最高峰の守護神であり、サントリーの藤中颯志もその実力の高さは疑いようがない。
シーズンを通したこれまでの戦い方を見れば、サントリーは選手層の厚さも含めて“誰が出ても強い”チーム力を備え、対するSTINGS愛知は“圧倒的な個”が結集してチーム力をかたちづくっている。勝敗はまるで予想がつかないが、手に汗にぎる激闘となることは確かだ。
■CHAMPIONSHIP Finals 特設サイト
https://www.svleague.jp/special/2425finals/men/
■SVリーグ男子 チャンピオンシップ ファイナル 試合日程・放送情報・配信情報
・サントリーサンバーズ大阪 vs ジェイテクトSTINGS愛知
GAME2、GAME3:J SPORTSオンデマンド
文:バレーボールキング